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笑達・河合悠 二人展【ほ  ろ】

  • Posted by: DIGINNER
  • 2021-08-22 Sun 13:09:10
  • 未分類
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©️2021DIGINNER GALLERY

ほろ=母衣 と書きます。
武士が鎧の上に覆う幌を思い浮かべますでしょうが、一方で胎盤という意味を持つそうです。
今回の展示タイトルの「ほ ろ」は後者。
火は風と、土は水と共にあり、つまり無数のエレメントの現れが土や火になっていると二人は言う。我々は母衣に包まれていた時も、地球に包まれて息をしている時もまた、無数のエレメントによって成り立っている。
二人の共通点は土を使って絵を描き、土で覆った蝋燭に火を灯す。
自然からいただく大いなる力に敬意を持って昇華する二人の作品に説明は要らない。

期間中行った「夏至の会」では、河合悠が詩を詠み、笑達が大型の蝋燭に全身を使って描いていた。
蝋燭の揺らぐ灯りがまるで生命の炎のような、そんな印象を受けたのは、彼が愛でるように蝋燭を摩って描いていたからであろう。
ここに河合悠の詩を記しておく。


わたしたちが まだ なにものでもなかったころ
なまえで よばれ
わたしたちを つつんでいた わたしたちは わからないままに
すべてをしっていたし また せかいも わたしたちのことを しっていた
わたしたちが このせかいにやってくるとき
まっかな みち(未知)をとおって まっしろのせかいに おりたった
そのせかいでは 光と闇は べつべつの なまえで よばれ
心と体も べつべつの なまえで 
よばれるようになった

火は
闇のふかさを おしえてくれる
わたしたちは 火をみながら 闇をみている
闇は わたしたちから ことばをうばい
ちんもくの せかいへと つれてゆく
ちんもくの せかいできこえるのは じぶんの
しんぞうの おと
その おとは まだ わたしたちが なにものでも
なかったころの きおくへと つながっている

闇を おそれては いけない
ちいさな くもが いう
闇を おそれては いけない
ふりつづける あめが いう
闇を おそれては いけない
アスファルトの すきまからはえる ざっそうが いう
闇を おそれては いけない
さんさんと ひをあびて ふかふかになった せんたくものが いう
闇を おそれては いけない
闇を おそれては いけない

わたしたちは 火のうたで おどり
闇の こもりうたのなかで ゆめみる

                           詩 河合悠


世の中の現状に在り、あらゆる面で闇と捉えがちですが、闇がなければ光は生まれません。
闇然な闇路を闇雲に進んでるようですが、いつかの光を求めて歩み続けましょう。

ご来場いただいた皆さま有難うございました。






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