Home > 2021年07月31日
2021年07月31日 Archive
Group Photo Exhibition【all in good time】
- 2021-07-31 Sat 12:22:40
- 未分類










大分経ってしまいましたが、5月〜6月にかけて行ったグループ写真展「all in good time」のレポートです。
本展はギャラリー独自の視点から選ばせていただいた4名の写真家の作品を展示しました。
コロナ禍になってNEW NORMALな日常にガラッと変わってしまい、以前の美しい記憶を辿ろうにも、既にその時間は戻すことができないほどの状況になってしまいました。
日々アップデートされる情報に恐れストレスを抱えながらも、やがて訪れる「Normal」な日常に期待しながら過ごしています。
時短や酒類提供禁止などの対策で苦しんでいる我々も、2年前は昼間からお酒を嗜みチルアウトする人々の風景なんか、気にもしなかったし、むしろ忙しい日常を牧歌的な雰囲気にさえしてくれたとも思います。
松井良寛の作品は「殺し屋」というタイトルで、全て写真の被写体が「鬼殺し」を、各々の憩いの場で呑んでいます。
「殺し屋」は皆の周りに存在する。しかし「殺し屋」は誰も殺さず平和に暮らしている。でも「殺し屋」でもある。w
企画の段階では「不謹慎」という言葉が先行したせいか、公園などに行っても大分見なくなった光景。
松井さんのこのシリーズは本展では不可欠だと思いお願いしましたが、展示期間中は皮肉にも酒類提供禁止になり、路上飲みが日常化するようになってしまったという...ただ若年化してることから、全く牧歌的な風景ではないですが。
野口健吾さんはインドで一年間かけて撮ってきた世界中から集うバックパッカー達のポートレートを出展していただきました。旅中は予測できないハプニングや偶然が起こるのが旅の魅力であり、中でも奇跡的な幸せを掴むこともあるのです。
そんなドラマを数点の写真で伝えてくれました。今では渡航さえ難しい状況なので、写真を通してグローバルな出会いを伝えてくれると、先の夢や可能性が膨らみます。今の状況が続けば、腰をあげることが億劫になり、情報だけで満足してしまう人が増えそうです。野口さんの写真を見ているとすぐにでも飛び出したくなるような感覚になります。なので早くワクチンを打ちましょう。w
今回唯一フランス人の写真家オリヴィエ・ケルヴェンヌの写真はモノクロの人物や風景写真。
オリヴィエ独特の被写体との距離感が、時間が止まったかのようなタッチを生み出していて、現代なのに遠い過去のような懐かしさを憶えます。切り取られた風景には一種の居心地のよさを感じ、我々の日常にも近い距離でそのような憩いの場があるのではないかと思わせてくれます。
阿部健さんは一人コロナ禍以前の写真ではなく、渦中に撮った写真もセレクト。
雲行きのあやしいこの星で最愛の家族と暮らす、ふと思い浮かぶ「焼き場に立つ少年」の写真。
様々な憶測や、楽観的な見通し、どれも信憑性に欠けていて本当に元の日常に戻れるのだろうか?期待ばかり膨らませずに、自分たちの足下しっかり見て現実をサバイブしなくちゃいけないなと思わせてくれる。
奥さんに抱擁され笑顔で見つめる御子息の写真がとても説得力がありました。
今回の企画に快く参加してくれた4人の写真家に改めて感謝申し上げます。
またこのような状況にも拘らず、毎日足を運んでくださったお客様、誠に有難うございました。大変な時期なだけに忘れがちな美しい記憶を今一度思い返して、少しでも笑顔で現実に向き合いながら切り抜けたいものです。
Home > 2021年07月31日
- Tag Cloud
-
- Search
- Links
-
- Feeds